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ヤンキース長井氏の語る米大学野球

長井くんインタビュー

長井祐介(ながいゆうすけ)

東京都出身。江戸川高校で高校球児。法政大学ではプロ輩出実績有のハイレベルな準硬式野球部で全国制覇。法大卒業後、某大手総研でITコンサルタント。スポーツビジネス界への夢を追い、ウエストバージニア大学に スポーツマネジメント留学。学業の傍ら一年目から野球部(15年で50名プロ輩出)のマネージャーとしてアメリカ野球の現場で活動。その間、千葉ロッテマリーンズでリサーチ・マーケティングインターンも経験。3年目から同大野球部のディレクター職を務める。名門大野球部での3年間の現場実績が認められ、2010年7月からメジャーリーグニューヨーク・ヤンキースで働いた経験を有す。ウエストバージニア大経営学修士=MBA修得。

非力だった1年生が毎日プレイしトレーニングを積む事で飛躍的に伸びていくのを目の当たりにしてきた。 豊富な実戦経験が彼らの能力を伸ばしてくのです。

会社を辞め、アメリカに渡ってのスポーツマネジメント留学を経て、メジャーリーグの名門ニューヨーク・ヤンキースに就職した元高校球児の長井祐介氏。留学時には勉強の傍ら、3シーズン、メジャーリーガーを輩出する強豪ウエストバージニア大学野球部でマネージャー(3年目からディレクター)としてアメリカ大学野球の現場を文字通り体感し、アメリカ大学野球のレベルを目の当たりにしてきた。時折見られるメジャー級プレイに、日本では「ありえない」と語る一方、高校時代しっかり練習している日本人選手であれば、アメリカの大学でやれるチャンスは十分あるという。長井氏の見たアメリカ野球とは。

「守備は全体的に見ると粗く、日本の方が洗練されている」

3シーズンウエストバージニア大学野球部のディレクター、マネージャーとして現場を体験し、感じた、日本とアメリカ野球の違い

あくまで一般論になってしまいますが、アメリカの大学野球は金属バットを使うので打高投低が顕著です。(NCAA 1部に限る)投手の球は速く、150キロ以上投げる投手も珍しくありませんが、コントロールの精度はそこまで高くありません。打撃に関しては日本のように当てに行くスイングは好まれず、強い打球を打つ事が打撃の基本として考えられています。守備は全体的に見ると粗く、日本の大学野球の方が洗練されていると個人的に思います。しかし『あり得ないプレイ』という観点からはアメリカに軍配と言ったところでしょうか。

長井くんインタビュー練習は効率的、ウェイトトレーニングは専門のストレングスコーチの下、計画的にみっちり行います。そのため痩せている1年生も数年したら体も大きくなりスイングスピードやパワーも格段にアップします。ここは日米の差が非常に大きいと思う部分です。 試合は実践を多く詰めるようにシーズンや制度が整備されています。最低でも1年間で130-135試合は積めるようになっており、アメリカの大学野球は実践経験の部分で大きくリードしている印象です。

「何か一つでも光るものがあればカバーできる、勝負できることは間違いありません。」

アメリカ人コーチがスカウトする際のポイント

投手ならストレートのスピード、チェンジアップや変化球の切れ、野球センスや将来性、もちろん試合での投球内容等を見て判断します。野手は打撃センスやスイング、守備、肩の強さ、足の速さなどを見てスカウトします。
日本人選手には不利な側面ですが、背が高い、体が大きい=将来性が見込めるという発想を持つコーチもいます。しかしそれは絶対的な決め手になるわけではなく、何か一つでも光るものがあればカバーできる、勝負できることは間違いありません。

「異文化、他言語を積極的に学ぶ姿勢を持つ事が大事」

英語をどうやって覚えていったか。英語の重要性。

まずはチームメイトとコミュニケーションを取ろうと思って野球用語やその掛け声、またスラングなどから入りました。日本のプロ野球で外国人選手が日本語を覚えていくのと同じ要領です。現在読売ジャイアンツのラミレス選手や元近鉄やオリックスで活躍したローズ選手などが良い例だと思うのですが、彼らのように異文化、他言語を積極的に学ぶ姿勢を持つ事が大事だと思います。その姿勢はチームメイトやコーチに伝わりますし、アメリカ人の立場からすると嬉しいはずです。

「日本の高校野球は最も高いレベルでの競争が繰り広げられていると言っても過言ではありません。」

高校球児、アメリカで野球を続けたい人にむけて

長井くんインタビュー日本で大学までプレイし、この3年間アメリカの大学野球を間近で見てきました。アメリカではアメリカンフットボールやバスケットが野球と同じ、もしくはそれ以上に人気があり彼らの身体能力にはいつも驚かされます。残念ながらこの2つのスポーツで日本人が活躍するのは現時点では難しいと言わざるを得ません。しかし野球ならば話は違ってきます。日本の高校野球は世界最大の高校生の野球大会であり、最も高いレベルでの競争が繰り広げられていると言っても過言ではありません。間違いなく日本の野球の競争力の源泉はそこにあるのです。その場所で切磋琢磨してきた選手ならアメリカの大学でプレイするのは英語力を考えないとするとそれ程難しいことではありません。

「日本で基礎が身に着いている選手ならこの環境でさらに実力を伸ばせる事が可能だと思います。」

さらにアメリカには選手として伸びる環境があります。年間100-130試合を行いホームアンドアウェイで遠征にも行く、体力的にも精神的にも楽ではありません。しかしこのような経験を日本で積もうと思ったら最低でもプロ野球の2軍か独立リーグに入らないと難しいのではないでしょうか。

ウエストバージニアでは、非力だった1年生が毎日プレイしトレーニングを積む事で飛躍的に伸びていくのを目の当たりにしてきました。豊富な実戦経験が彼らの能力を伸ばしてくのです。残念ながら日米の大学野球のシステムを比較した場合、アメリカの方が選手を伸ばす環境という点で優れていると言わざるを得ません。日本で基礎が身に着いている選手ならこの環境でさらに実力を伸ばせる事が可能だと思います。

長井くんインタビュー

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