スポーツ留学のリスク

アメリカの大学は部活に簡単に入れない

日本の若者をどんどん海外に留学させよう、飛び立たせようという文科省のトビタテ留学JAPANの影響もあり、一時期に比べ人々への海外留学への興味が高まってきているようです。トビタテ留学JAPANは高校生、大学生の留学に支援を行う、画期的な素晴らしい制度で、その中の多様性人材コースでは、国際体験の切り口にスポーツを活用したスポーツ留学も援助の対象になるようです。

一方で、海外でスポーツをするというのは、一般に考えているよりは簡単ではありません。実際に海を渡ってみて、スポーツが出来なかった...ということは実はよくあります。

特にスポーツ留学においてスポーツができない、というのは、大きな問題かと思います。

トビタテのような制度で支援してもらったり、そうでなくても、家族の支援を受けて、スポーツ留学のメイン目的であるスポーツができない、となると、支援者に対し、申しわけない気持ちでいっぱいになることでしょう。それにモチベーションも上がらないことでしょう。

実は、スポーツができないというリスクもその多くが、事前に確認し、知っていていれば、避けられるものです。

ここでは、スポーツ留学でスポ-ツができないというパターンやそのリスクを避ける考え方について例を示し、そのようなリスクを避けるようなスポーツ留学の計画作りに役立てていただければと思います。

まずは海外のスポーツ留学を計画するにあたっていちばんはじめにやるべきこと。それは、基本中の基本である、最重要のこの3つ質問を問いかけてみる事です。

  1. そもそも留学先でスポーツができるのか
  2. どうやって行く(通う)のか
  3. どこに滞在するのか

そもそもスポーツができるのか

シンプルすぎて、当たり前じゃないか、と言われるかもしれないですが、一番重要な考え方です。外国は日本じゃないということです。1年中、ほぼ毎日部活が行われているというのは、日本ぐらいなものです。世界では非常に特別な、珍しいことです。スポーツ先進国アメリカでさえも、簡単に部活動ができるわけではありません。 学校で部活動を行っていない国が世界では大多数なのです。したがって、学校の部活動がないとなると、スポーツ活動をどこでやるのか。を明確にしておく必要があります。ヨーロッパサッカー留学となれば、ヨーロッパのサッカークラブや地域の総合型スポーツクラブということになるでしょう。総合型でなくともサッカースクールやテニスクラブのような場がある可能性があります。そこが日本で想像しているような部活動に近いものなのか、レジャー色が強いサークルのようなものなのか、もチェックが必要です。日本の部活動の感覚だと週5-6日のように、ほぼ毎日練習や活動があるのを当然期待することでしょう。しかし、クラブチーム、サークルとなると日本でも、「毎日練習がある」という方が珍しいでしょう。どのくらいの活動をしているのかをチェックする必要が出てきます。試合しかやらない。というチームもあるかもしれません。実際どのレベルを求めているのか、というのも、競技者としてのレベルが上がれば上がるほど気になるチェックポイントだと思います。

どうやって行く(通う)のか

スポーツを学校でやらない、ということになると、考えなければいけないのは、足の問題です。どうやっていくのか、ということ。
 学校であれば、寮やホームステイなどの滞在先と学校の単純往復で済みますが、そこにもう一つ、スポーツクラブが加わると、①滞在先⇒学校、②学校⇒スポーツクラブ、③スポーツクラブ⇒滞在先 という3つのルートを毎日使うことになります。①の学校と滞在先は、通常留学生を受け入れているところであれば、たいていは確保されているものですが、②、③となると、距離は離れていることは往々に予想され、交通網がきちんと用意されているとは限りません。
 高校生だと送迎が必須となるかと思いますが、毎日、送迎をする側の負担は結構なもので、長続きはしないでしょう。アメリカでも高校は部活のシーズンが限られており、オフシーズンにクラブチームでの3か所送迎してくれるホームステイを探すのに、大変苦労し、続かなかったことがありました。
 大学生でも遅くなると治安の問題もあったり、②,③バスのルートがない、あっても1時間に1本など弁がとても悪いなど、続けることへのボトルネックとなる恐れがあります。

どこに滞在するのか

 学校に留学するのであれば、学校がたいていホームステイや寮、アパートなどなんらかの滞在先を準備しているものなのでそれほど問題ないです。サッカースクールやテニススクールの中には、宿泊施設を備えた所もあります。
 クラブチームとなると地域住民のクラブという位置づけもあり、宿泊施設を備えたり、滞在先のあっせんをしたりということは、そもそもしていないことが多いです。
 学校も行かずに、スポーツだけを、といった場合、宿泊施設のことまで考える必要があります。

以上3つがまずはスポーツ留学を計画する上での基本中の基本の確認事項となります。
その中でも「はたして本当に現地でスポーツができるのか」というスポーツ留学にとって根本のチェックが必要ということはすぐにわかるかと思いますが、「どうやって行くのか」「どこに滞在するのか」、さらにそれが果たして毎日実現可能なのかということも併せて考えていかないと、絵に描いた餅となってしまい、行ってみて結局「スポーツできなかった」「スポーツはできたけど続けられなかった」ということになりかねません。

長期でのアメリカスポーツ留学においての「スポーツができない」リスクについて

学校スポーツが盛んなアメリカにおいては、スポーツ留学をするには、高校なり大学なり、学校に入って、きちんと学生ビザを取り、その大学の一員となり、部活動に入ってスポーツをする。
長期での学校部活動でのスポーツ留学。
これがアメリカスポーツ留学の王道中の王道です。
しかしながら、この長期スポーツ留学でも、ただ単に留学して、部活に入れば良い、といった単純なものではありません。
そこにもスポーツができないというリスクが潜んでいます。
長期留学は、それこそ、事前に各種手続きをし、準備をして、いろいろな方から支援をして等、さまざまな労力、時間、お金を費やしてと渡米に至ることでしょう。
スポーツ留学として、実際に現地に行ってから、「スポーツが出来なかった。」となってしまうのは避けたいところですが、意外とよくある話です。
現地に行ってスポーツが出来なかったと、現地からメールで、我々のところに相談してくるというのは結構あるのです。

アメリカ長期スポーツ留学なのにスポーツが出来なかったパターンとしてはおもに次の3つがあります。

  1. 運動部に入れる条件をクリアしていない。
  2. タイミングが悪い 
  3. 話がついていると思ったらついていなかった 

それでは、順番に見ていきます。

1.運動部に入れる条件をクリアしていない。

この場合、最も多いのは、参加者の英語力の問題です。
大学留学の場合、英語力が低いと大学付属の語学学校で英語力を上げ、一定レベルに達しないとアメリカの大学生と同じ卒業単位となる授業を取ることができません。
大多数の学校では語学学校に在籍の生徒が、運動部の選手として公式戦に出ることを認めていません。練習参加さえも認めない学校も数多くあり、多数派です。
日本人NBA選手第一号の田臥選手も、アメリカ大学留学時代、渡米1年目は語学学校でしたので、公式戦に出場できていません。2年目はケガもあったそうで、渡米から2年は公式戦に出場しないシーズンを過ごしました。
渡米後一年目にメンバーに入って公式戦に出れる可能性があるのかないのか。学校によっても変わってきますので、確認が必要です。

2.タイミングが悪い 

短期のところでも書きましたが、アメリカの部活は公式戦シーズン途中からいきなりメンバーに入るということはありません。(ケガで復活という場合は可能性ありますが)
メンバーの登録制は1シーズンごと。つまりメンバー登録のタイミングで、部活に入れるステイタスになっていなければ、メンバー入り、試合出場のチャンスは、1年先に先送り、ということになります。
ここで言うステイタスとは、語学学校生でなく、英語レベルなど学校・連盟で定められた基準に達し、その学校のレギュラースチューデント=大学生として部活動ができる状態という意味です。
したがって、たとえば、バスケ留学をするために、8月の秋学期から留学を開始して、まずは語学学校で英語を勉強し、1学期で英語力を伸ばし、次の1月からの冬・春学期から、レギュラースチューデントレベルになれたとしても、バスケットボールのシーズンがすでに始まり、むしろ真っただ中の1月から、バスケ部のメンバーになって、試合に出るということはまずありません。計画の時点で破たんしております。最低でも夏休みから渡米を前倒しして、夏休み中に英語力をあげ、秋にはレギュラースチューデントになって、メンバー登録に声がかかるような状態にしておかなければなりません。それでも夏休みからというのはかなりギリギリなスケジュールであります。

3.話がついていると思ったらついていなかった

「現地でスポーツができるという話がついていると思ったらついていなかった」
これは非常によくありがちです。
アメリカに行ったら運動部に入部できるという話になっていると思って行ったら、話がついてなくて、ダメだった、こういうケースで、現地から相談が来るということは、よくあります。

ケース【1】監督・関係者が仕組みをわかっていない

A君は友だちの親御さんの知り合いが、元プロ選手で、元プロ選手の知り合いがアメリカ人で大学の野球部につながりがあるとのこと。その大学の野球部に入れるか聞いてもらったところ、入部OKをもらいました。渡米後まもなく野球部の練習に参加。監督からも褒められる。ところが、練習2日目に、監督室に呼ばれ、A君は留学生向けの語学クラスの生徒かどうか聞かれる。まだA君は大学クラスに入れる英語力は渡米時点ではなく、学校初日の英語テストでも大学クラスではなく、語学クラスに振り分けられていた。その学校の所属する連盟では語学クラス生は野球部の練習にさえも参加できないという厳格なルールがあり、練習参加できるのは、英語力がついてから、つまり早くても翌年以降になる、と伝えられた。既に学校も始まっており、転校先で今シーズンから野球ができる可能性は極めて低く、渡米数日後にして、自主練以外の本格的な野球はこの1年ほどしばらくはできないことが確定する。
***

監督や関係者、間に入った人=このケースでいう知り合いの方がその選手の入部OK!と言っても、留学生の受け入れたことがなく、英語力がない人は付属の語学学校やESLと呼ばれる、留学生向けの英語プログラムらスタートしなければならない、語学学校・ESL生だと公式戦に出ることはできない、場合によっては、部活動にも参加できない、ということを理解していない場合はよくあります。
Do we have ESL? By the way, What’s ESL?
アメリカ人の監督によっては語学学校や留学生向け英語プログラム=ESL、トフル等自体をよく知らない監督も少なくないです。また、その学校自体にESLや語学学校など、英語力の乏しい留学生が英語力を上げるためのプログラムがなく、その学校すら入ることができなかったりします。

ケース【2】そもそも監督が乗る気でない

B君は父親の知り合いが、アメリカの大学の野球部の監督がいるということで、聞いてもらったところ入部できそうなのでとりあえず来なさいと言われ、準備をし、その学校にアメリカの新学期である秋から留学。しかし、実際に留学し、野球部に行ってみたら、練習1日だけやって、2日目からは「今シーズンは野球部には居れない。練習も参加できない。来シーズンまた来てくれ」ということを言われた。

日本でもそうかと思いますが、監督が認めてないのに、入部OKということはまずないでしょう。「とりあえず頼まれたけど、実はそもそも採る気がない。」「日本人選手に興味がない」という場合もあります。

そういう場合は、一日だけ練習に来てもらい、トライアウトとして一応実力をチェックする。よっぽど目覚ましいものがない限りお断りする、そういったことはよくあります。

以前も伝えましたが、アメリカは小人数制で、選手集めは、前もってスカウティングを行います。日本のように来る者拒まずではなく、監督・コーチの側から積極的にスカウティングをし、集めるのがならわしとなっていて、余計な人数は入れません。連盟により、公式戦登録時期がきちんと定められています。もし、入部希望者が、公式戦登録が済んだ直後や公式戦の最中に入部を申し出た場合、今シーズンが終わった半年~8か月後ごろに来てくれ、と言われることでしょう。
アメリカ人も一応、紹介を受けたら、紹介者に見もせず断るのも。。と義理立てしてトライアウトして、その選手を見てみます。実際、そこで良かったら入部OKを出すことでしょう。

通常は秋の時点では、スカウティングは終了。今度は紅白戦や練習を通してメンバーを絞り込んでいく時期に入っていきます。すでにその時点では構想が出来つつあり、全く新しい人材にはあまり興味を示さない傾向があります。そのオフシーズンのスカウティングがうまくいってればなおさらです。アメリカではスーパーサブ的な考えはしません。良いショートがいたら、もう別の良いショートは必要ないと考えます。(ピッチャーは何人いても良いと考えますが。)また監督自身やコーチ陣が自ら選手をきちんと見て選んでいくのを好みます。高校のコーチからこの選手どうだ?と打診されることはアメリカでもありますが、興味なければ取りません。あのコーチに面倒見てくれと言われたから、マネージャーでも良いから、取るというようなことはまずありません。とりあえずでも、取るとなったら、「戦力になる可能性がある」として考えています。
「戦力としては難しい、でも、その高校コーチとの関係性がある」という事情もアメリカ人コーチでもあることでしょう。でもその場合はたいていはっきり言ってきます。「その選手のプレイングタイムや出番は可能性は低い。それでもいいか」と。

「英語力が乏しいので、入部は難しい」
一方、アメリカ人はイメージと異なり、なんでもズバスバいう人ばかりではありません。
「選手としていまいち」「うちのチームではメンバーに入るのは厳しい」というのを直接相手に言ったり、間に入った紹介者に伝えるのは避けたい、とはっきりものを言わない人が意外に少なくありません。
そんな時に、「英語力の乏しさ」を理由にすれば、相手も傷つかないだろう、という変に気を遣って断る監督は結構います。
前述の通り、英語力が一定以上に達してないと運動部に入れない、公式戦に出られない学校は多数あります。
しかし、ごく一部の学校で、英語力が語学プログラムレベルでも、運動部に入れ、試合も出られるという学校があります。
弊社のプログラムで渡米直後は英語力が低かった選手でそのような仕組みの某学校にスポーツ留学させたことがありました。それを知って自分もスポーツ留学したい、その学校に直接問い合わせて留学したところ、練習初日で、語学力を理由に入部できない、と言われたCさんという方がいました。Cさんは、我々に語学力がなくても入れるんじゃないのか、どうなってるか文句を言ってきました。監督もよく知ってるので聞いたところ、どうやら、語学力ではなく、選手としてのレベルで厳しい、プレイヤータイプとしても、うちのチーム向きではない、監督的には、そのプレイヤーがそこに来てもメンバーに入れる可能性もなく、つまりは、その選手に興味がない、というのがメインな理由でした。
語学というのは、けっこういい断り理由に使われる場合があります。

以上、スポーツ留学におけるスポーツができないリスク、ということについてお伝えしてきました。

スポーツはグローバルコミュニケーションです。
海外研修にありがちな、ちょっとぎこちない現地生徒との交流タイム
現地の学校の教室を借りているが、生徒は全員同じ学校から行った日本人だけ。
そんな作られたグローバル体験でなく、真のグローバル体験ができるのがスポーツ留学です

文化、生まれ育った場所、紙の色、肌の色、瞳の色が異なった同世代あるいは年齢が多少離れていても、世界共通のルールの中で、みな平等に、夢中にボールを追いかけ、競い合い、チームメイトとして助け合い、一緒に汗を流しあう。
言葉も通じないのに、プレイで会話し、心を通じ合っていく。
すぐに言葉が通じないのがもどかしくなり、何とか、伝えようとし、そのもどかしさがモチベーションになっていく。
これはまさにスポーツの力であり、スポーツ留学の持つ特徴であります。

一方でスポーツ留学は意外にハードルが多いのも現実。
トビタテ!留学JAPANのような素晴らしい制度や海外留学経験を持つ錦織選手の活躍は、スポーツ留学より多くの方に知ってもらう大きなきっかけとなっています。

だからこそ、今回お伝えしたようなスポーツ留学のリスクというものも同時に知ってもらい、事前に避けられるリスクを避けてもらいながら、スポーツ留学という形でもっともっとたくさんの方にトビタッテいただければ思う次第です。

そうやってトビタッて、海外でのスポーツ経験をした若者たちが、5年後の2020年の東京オリンピックで選手としてだけでなく、おもてなし役としてたくさん誕生し、世界中から来る人々を迎えるようなメンバーがあふれるようになったら最強なオリンピックになることでしょう。
期待します!

■スポーツ留学のリスクチェックリスト

□ほんとうに野球部(運動部)でプレイできるか?
□英語力はどのくらい必要か
□これまでその部で日本人がプレイしたことがあるか?
□現時点で何名の日本人がその部に所属しているのか?

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